家づくりのメインとも言っていい間取り決め。
ついつい間取りを先に決めたくなってしまうのですが、その前に十分に検討しなくてはならないことがあります。
それは日射です。
日射は土地をこれから購入される方はもちろん、土地をすでにお持ちの方も間取りを考え始める前に必ず検討をしてください。
土地にどのような角度で、どの位置にどのくらいの時間日があたるのか。
その日照シュミレーションによって建物配置や長い時間いることになるリビングの位置などを決めていきます。
日照シュミレーションソフト
日照シュミレーションでぼくが使用したソフトは「日当り君」です。https://www.homeskun.com/products/homeshiatari/homeshiatari_form/
本ブログではソフトの操作方法は割愛します。
不明点があれば、コメントかお問い合わせフォームからお願いします。
建物を配置する
上図の緑枠が建設予定土地でピンクの屋根の建物が今回の該当建物です。
隣家の高さと隣家までの距離は日照シュミレーションではかなり重要なので可能な限り正確に反映させます。もちろん方角も正確に!
1つのグリッドが1000mm×1000mmでそのグリッドを10分割までできるので最小100mm単位で描くことができます。
シュミレーションを実行する
太陽高度は夏至(6月22日頃)が最も高く、冬至が(12月22日頃)が最も低くなります。
下図は夏至の日照シュミレーションです。
このシュミレーションで見ていただきたいのが建物の南面への光の当たり方です。この光のあたり方をよく覚えておいてください。
次に冬至の日照シュミレーションです。
夏至のシュミレーションと比較すると太陽の高度が違うことで建物南面への光の当たり方がほぼ真逆になっていることがわかります。
この夏と冬とで光の当たり方が逆になることを利用すれば、冬は日光を取り入れ暖かく、夏は日光を遮蔽して涼しくするということが可能になります。
駐車計画を立て、建物の配置を決める
南側隣家の距離が隣地境界線から近く、南からの日射を確保するには、隣地境界線からある程度距離を離さなくてはなりませんので、車を2台駐車するスペースを確保するとなると下図の2通りが考えられます。
我が家の場合、車を縦列駐車するのは避けたかったので①の建物配置に決めました。
窓の位置をイメージする
パッシブ設計
パッシブ…アクティブの対義語で、自分からは積極的に働きかけないさま。 受動的。 消極的。
つまり、パッシブ設計とは積極的な冷房・暖房によって快適な環境にするのではなく、太陽や風などの自然の力を上手に利用して省エネルギーで快適な環境にするという考え方です。
パッシブ設計において、一番需要な役割を果たすのはズバリ「窓」です。
太陽の軌跡は、簡単に言うとスタート地点とゴール地点は夏も冬も大体同じ高度ですが、昼間の一番高い位置にあるときの高度が夏と冬では違います。
南面の窓はできるだけ大きく、それ以外の面(北・東・西)の窓は必要最低限に!!
南面に大きな窓を設けることで、太陽高度が高い夏は軒によって日射を遮蔽し、太陽高度が低い冬は日射を直接取り入れることが可能になります。
逆に言うと、南面以外に窓を作ってしまうと冬は日差しが入ってきて暖かくなりますが、夏も太陽高度が低いため日光が入ってきてしまい暑くてたまらなくなります。
ただし、日射遮蔽・日射取得よりも上回るメリットがある場合(景色など)、南面以外でも窓をつけてよいでしょう。
窓の位置
我が家の場合は下図の青丸の位置に窓を可能な限り大きく設置します。
我が家の場合は南面の1階部分に窓をつけてしまうと冬は日が当たらず、夏に日が入ってきてしまうので絶対に窓は設置しません。
その他の面は景色を見るための窓や、建築基準法上必要な窓以外はむやみに設置しないようにします。
リビングの位置を決める
前項で我が家の一番の日射取得ポイントが南面の2階部分と決まりました。
南面の1階部分には窓は設置しないことから、リビングは吹き抜けにして2階部分から光を取り入れることにします。
下の動画は2月の日照シュミレーションです。
このシュミレーションから南面の西側が一番長く光が当たっているのがわかります。(南側隣家の西側が後退しているため)
したがって一番いる時間が長いであろうリビングは南西側にすることにしました。
加えて、建物北側は庭にする予定なのでその庭を見れるようにダイニングは北西にし南北に長いLDKとすることにしました。
その他間取りを決める
LDKの形や大きさ、位置が決まればあとは欲しい部屋を残りのスペースにパズルのように詰めていくだけです。
基本的に、残りの畳数≧ほしい部屋の畳数の和 であれば収まるはずですが、パズルのピースの形によってはうまくはまらなかったりします。
収めるコツは次の記事でご紹介します。
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