家づくりをはじめるのに最初に待ち構えている難関はハウスメーカー選び。
その際に最低限必要になる知識をここで一度整理しましょう。
と思ったのですが、現在の住宅性能に関する基礎知識はネットにすでに情報がたくさんあるので僕のブログでは割愛させていただきます。
ハウスメーカーの営業さんは自社製品の知識はもちろん、話術も巧みなので基礎知識がない状態で直接目の前で説明を受けると本当にどのハウスメーカーも魅力的に見えてしまいます。
なので住宅展示場などにはある程度前もって基礎知識をつけて自分なりの「理想の家」像を明確にしてから足を運ばれることをお勧めします。
ハウスメーカー選び
ハウスメーカー選びでは各社得意とするところが全く違うので、各項目を比較し少しでも「理想の家」に近い家を建てられるのはどのメーカーなのかを慎重に選ぶ必要があります。
ぼくの場合、比較項目はおおむね次の通りです。
- 価格
- 断熱気密性能(UA値・C値)
- 太陽光発電
- 暖房、冷房方式
この項目をもとに5社比較検討した結果、ぼくは「一条工務店」に決めました。
一条工務店に決めた理由を比較項目に沿って説明するので、ハウスメーカー選びの参考になればと思います。
一条工務店に決めた理由
価格
比較検討した5社の中で唯一見学初日で価格を具体的に提示してきたのが一条工務店でした。
一条工務店は坪単価制なので1坪当たり●●円ときまっており、建てたい家の大きさがある程度決まっている場合には建物本体価格は概算ですぐに分かります。
また、後でも説明しますが一条工務店は太陽光発電が強みで、太陽光発電の売電・買電メリットも具体的な金額を交えて説明を受けました。
価格が明瞭だったから一条工務店にしたわけではないですが、価格相場がわからないまま説明を受けた5社の中で、具体的な価格を提示されたことで家を建てる現実的なイメージがわき、一気に一条工務店に心が動いたのを覚えています。
そのような営業スタイルがほかのハウスメーカーよりも頭一つ抜けている印象でした。
各社見積が出揃った段階で比較しましたが、価格差はほとんどなかったため他項目の検討結果を優先しました。
断熱気密性能(UA値・C値)
ハウスメーカー各社のUA値・C値ランキングは調べるとすぐ出てくるので、一条工務店が業界トップクラスの断熱気密性能を持っているということはもうすでにお分かりかと思います。
なのでぼくは窓の断熱性能にスポットをあてて比較しました。
家の中で最も熱の出入りが多い箇所が窓や玄関などの開口部になります。
なので、窓の断熱性能が家全体の断熱性能に深く影響します。
一条工務店 公式HPhttps://www.ichijo.co.jp/technology/element/sash/より
例外はありますが、建築基準法上、居室には採光・換気を満たす窓が必要です。
上の画像のように開口部からの熱の出入りは冬は58%、夏は73%にもなります。
真夏に南側の掃き出し窓から入ってくる熱量は600Wで、これは大体こたつと同じ熱量です。
そのため、一年を通して快適に過ごすためには窓の断熱性能が高いことがとても重要になります。
窓の断熱性は大きく分けてサッシの断熱性とガラスの断熱性に分けられます。
下図は現在の住宅で一般的に使われているサッシとガラスの組み合わせと熱貫流率の表です。
樹脂サッシ工業会HPhttps://www.p-sash.jp/resin-sashより
Low-Eとはガラスの表面にLow-E膜という特殊な金属膜をコーティングしたガラスのことで断熱・遮熱の効果を高めます。
一条工務店はトリプルガラスとなっており、このLow-Eガラスを室外側と中央に2枚入っている「ツインLow-Eトリプルガラス」を採用しています。
サッシは樹脂サッシを採用しているので、一条工務店の窓は標準仕様で熱貫流率は0.73W/㎡・Kとなっており、これは住宅先進国の断熱基準をも大きく上回る数値で、もちろん業界トップクラスです。
以上の点から断熱気密性能を総合的に比較しても一条工務店が優れていると感じました。
太陽光発電
近年電気代が高騰し、世界情勢も踏まえると今後も高騰は続くと予想されます。
そこでぼくたち消費者にできることは、「いかに電気を買わないか」です。
そのためには太陽光パネルを設置することはもちろんですが、同時に蓄電池を設置することで自家消費率を上げさらに買電を抑えることが可能になります。
一条工務店はフィリピンに自社工場を持っており、住宅資材のほとんどを内製化しています。
なのでこんなに性能の高い家を他とほぼ変わらない価格で手に入れることができ、太陽光パネルと蓄電池の価格を見てもそのことを強く感じます。
経済産業省の資料によると、2023年設置の太陽光パネルの平均費用は28.8万円/kW、蓄電池の平均費用は18.7万円/kWとなっていますが、一条工務店は太陽光パネルと蓄電池のセットで約20万円/kW(2024年現在)となっています。
仮に太陽光10kW+蓄電池7kWを設置する場合の総額は次の通りです。
・他社=28.8万円×10kW+18.7万円×7kW=418.9万円
・一条工務店=20万円×10kW=200万円
どれだけ一条工務店の太陽光パネルと蓄電池の価格が破格かがわかると思います。
以上の点から太陽光発電を乗せるなら一条工務店だなと思いました。
暖房・冷房方式
【暖房方式】
暖房方式は大きく分けると温風式と輻射式があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットは次の通りです。
- 温風式…温風を対流させることで室内を暖める ex)エアコン、ファンヒーター
メリット | イニシャルコストが低い | 室内がすぐに暖まる |
デメリット | 暖まった空気は上へ行くため 足元が寒くなる | 空気が乾燥する |
- 輻射式…赤外線により壁・床・天井を暖めることで室内を暖める ex)床暖房、オイルヒーター、薪ストーブ
メリット | 室内の温度が均一になる | 空気が乾燥しない |
デメリット | 室内が暖まるまでに 時間がかかる | 電気式はランニングコストが高い |
また、温風式と比較すると輻射式では下図のようなメリットもあります。
https://www.yamakikensetu.com/column/cat06/05.html#:~:text=%E6%9A%96%E6%88%BF%E5%99%A8%E5%85%B7%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%80%8C%E6%B8%A9,%E5%87%BA%E3%81%AA%E3%81%84%E6%9A%96%E6%88%BF%E5%99%A8%E5%85%B7%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82より
以上の点から暖房方式で検討した際に、輻射式でランニングコストが低い温水式床暖房が標準仕様の一条工務店に魅力を感じました。
【冷房方式】
一条工務店は明確な冷房方式は提案していません。なので一条工務店で家を建てる場合には基本的に各部屋にエアコンを設置する流れになると思いますが、高気密高断熱の住宅で各部屋にエアコンを設置するのはおすすめできません。
それはなぜかというと、現在一般的に販売されているエアコンの最小能力は6畳用ですが、高気密高断熱の住宅ではその最小の6畳用エアコンでも部屋が冷えすぎてしまいサーモオフ1状態になってしまうからです。
エアコンの「●畳用」という表示は約60年前に定められた基準に基づいて算出されているので、現代の高気密高断熱住宅ではオーバースペックとなってしまいます。
冷房時に室外機のホースから水が出てくるのを見たことあるかと思いますが、あれは部屋の空気を冷やした際に発生する結露による水分です。コップの周りに水滴がつく現象と同じです。
その水分はドレンパンというところに送られますが、サーモオフ状態(送風状態)になるとその水分が部屋に戻ってくる「湿気戻り」という現象が起きてしまうのです。
真夏の暑い日にサーモオフによって湿度が上がってしまうともう最悪の状態の部屋が完成します。
対策としては部屋の入り口の扉を少し開けておき、室温が冷えすぎないようにするという方法は考えられますが、無理やりな方法なので各部屋にエアコンを設置するのは最終手段にした方がいいです。
では、ぼくんちの冷房方式はというと「エアコン1台全館冷房」にしたいと思います。
これは一条工務店の施主ブロガーでも有名な「フエッピー」さんの冷房方式です。
階段上のホール部分や吹抜け上部にエアコンを1台設置するだけで家全体を除湿(おまけで冷房)することができる仕組みです。
下にリンク貼らせていただきますので詳しくはそちらをご覧ください。
https://iiie296.com/?page_id=28#google_vignette
以上の点から、一条工務店は夏の冷房方式の提案がないことに関してはマイナスポイントですが、冬は理想の暖房方式である床暖房で、夏はエアコン1台全館冷房を採用することで夏も冬も快適に過ごせそうだと思いました。
- サーモオフ:室内の温度が設定温度に達すると冷房モードから送風モードに自動で切り替わり、それ以上室温を下げないようにする機能 ↩︎
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